逃げ場というのは、ポジティブなもの

こどもに与えてあげられるものというのは、実はそんなに無いんじゃないかと思います。
一方で、安心基地・逃げ場というものは、そのなかでかなり大事なポジションを占めていると思います。

この、お堂のようなおおらかな空間とアートについての記事です。
塚田ひろみ 2024.12.19
誰でも

逃げるというのは、普通の感覚ではマイナスの行動だったり、ネガティブなものと受け取られがちだと思います。

でも、ポジティブな側面が結構あると思っています。

うちの娘たちは、二人してアート教室へ通っておりますが、主に小学生の長女のためというのが大きいです。

「どうして通わせることにしたんですか?」

と聞かれて、ふと口をついて出たのは「逃げ場」という言葉でした。

普段の生活、今の日本の社会環境で言う大道の価値観では、窮屈かもしれない。窮屈だったり、辛かったら、違うところにちょっと行ける先が、あったらいいんじゃないか?

という考えが「逃げ場」という言葉の中には含まれています。

そもそも、100%自分の思い通りに行くことなんてあり得ない中で、自分なりに頑張ってみても、やっぱりうまく進まないことは、当たり前に体験していくでしょう。

そういうときに、自分の中に違う価値観が存在する空間のようなものがあれば、自分の中に「うまくいかなかったから、ダメだ」という以外の考えが浮かんでくると思います。

今はその時じゃない、進む方向が違う、違うアプローチがあるかも…という、そんなことが。

「逃げ場」というと、途端にさみしげな空気が漂いますが、こちらの先生は、これを「別のアンテナを立てる」と表現していました。

同じ意味だと解釈していますし、これは、自分に加えてあげる。与えてあげる体験だと思っています。

次女の方は、最近保育園のお散歩を嫌がっております。ですが、クラスの先生たちにはそんなことは言えないんだろうなと思います。

ですが、唯一「絶対に、散歩には行きたくない」と言えた先生はアートの先生だったんだな、ということに昨日気が付きました。(先生ありがとう、といつか直接言うつもりですが、忘れないように書いておきます)

そういう、おおらかさを持った不思議がアートにはあって、そういう空間を与えてあげるというのは、とてもポジティブなことだと思います。

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